日々の経験を、えんぴつ学習につなげる
2026/10/28
小学校でタブレット学習が広がる一方、近年では、紙の教科書や手書きで学ぶことの良さも改めて注目されています。
当教室でも、えんぴつを使って書き、考えながら学ぶことを大切にしているため、国内外で報じられているこうしたニュースを興味深く読みました。
紙とタブレットには、それぞれ異なる良さがあります。大切なのは、どちらか一方を選ぶことではなく、子どもたちが自分で考え、学んだことを自分の力として活かしていけるような学びを考えることではないでしょうか。
今回は、幼い頃に経験した遊びや日常の実体験が、小学校での学習にどのようにつながっていくのか、日頃の教室での気づきを交えながらお話ししたいと思います。
遊びや日常の体験が、学びの土台になる
幼児期から小学校低学年にかけては、友だちとの遊びや家族との会話を通して、さまざまなことを吸収していく時期です。
積み木を並べたり、おやつを数えて分けたり、公園で自然に触れたり。大人にとっては何気ないことでも、子どもにとっては新しい発見の連続です。
この時期は、机に向かって文字や数字を書くことを急ぐよりも、体を動かしたり、身の回りのものに触れたりしながら、さまざまな経験を重ねることが大切です。
当教室でも、幼児さんの学習では、お子さんの成長や興味に合わせて、教具に触れながら学んだり、えんぴつで書く学習へ進んだりと、一人ひとりに合った学びを取り入れています。
見たり、触れたり、実際にやってみたり。そうした経験を重ねる中で、子どもたちは少しずつ、ものの数や量の違いに気づいていきます。
例えば、おやつを数えるとき。目の前にある3個のおやつと、「みっつ」という言葉、数字の「3」が、少しずつ結びついていきます。
また、遊びや会話、本の読み聞かせを通して、言葉の意味を知ったり、目の前にないものや出来事を思い浮かべたりする力も育っていきます。
こうした日々の経験は、小学校で言葉や数字を学び、自分で考えるための大切な土台になります。
そして、その土台の上に、実際に文字や数字を書き、自分の手を動かしながら考える経験が加わることで、学びは少しずつ深まっていくのではないでしょうか。
計算も読解もできるのに、文章題が難しいことがある
小学校で始まる算数では、計算のやり方を覚えるだけでなく、文章を読んで、自分で考えて解く問題にも出会います。
算数の文章題を解くには、文章を読み取る力や語彙力だけでなく、数が表す量をイメージする力、数と数の関係を捉える力、そして、数を操作して計算する力が必要です。単位が出てくる問題では、単位の知識と、それがどのような量を表しているのかを理解することも大切になります。
文章の意味がわかっていても、数と数の関係を思い描くことができなければ、式を立てるのは難しくなります。
例えば、「30個を半分に分ける」という問題。
「半分に分ける」という意味を、うまくイメージできない子もいます。2で割ることは知っていても、「九九の2の段には30が出てこないから、答えが出せない」と困ってしまうこともあります。
そんなときは、「いっしょに考えてみようね」と声を掛けて、おはじきを使ったり、紙に丸を30個描いたりしてみます。あるいは、10個ずつのかたまりを三つ描き、どう分ければ半分になるのかを考えてみるのもよい方法です。
実際にものを動かしたり、絵に描いたりすることで、数の関係が目に見えるようになり、答えにたどり着きやすくなります。
大切なのは、すぐに式や答えを教えることだけではありません。お子さんが自分なりに考え、数の関係に気づく過程を、そばで支えてあげることです。
そして、おうちの方といっしょに考えた時間は、算数の理解を深めるだけでなく、「考えればわかるかもしれない」という自信にもつながっていくのではないでしょうか。
日々の経験から、えんぴつで考える学びへ
遊びや日常の体験を通して、見たり、触れたり、試したりしながら育ってきた「考える力」。小学校での学習では、その力を使いながら、少しずつ自分で考え、答えを導き出していくようになります。
えんぴつで書くことは、自分の考えを目に見える形にすることでもあります。
問題を読み、どんな式になるのかを考えて書く。計算の手順を一つずつたどりながら答えを出す。書いたものを見直し、間違いに気づいたら、もう一度考えてみる。
目で読み、手を動かし、書いたものを確かめる。こうした積み重ねが、頭の中にある考えを整理し、理解を深めることにつながっていきます。
もちろん、最初から頭の中だけで考えられるとは限りません。数や量の関係がつかみにくいときには、算数教具を使って、実際に手で動かしながら確かめることも大切です。
具体的に触れて確かめることと、えんぴつで書いて考えること。その両方を行き来しながら、子どもたちは少しずつ、目の前にあるものを数や式で表し、自分の力で考えることができるようになっていきます。
当教室でも、一人ひとりの理解や成長に合わせて、えんぴつで書いて考える学びを大切にしています。
らくだメソッドで大切にしていること
当教室で取り組んでいる「らくだメソッド」は、えんぴつで書く学びを積み重ねていく学習です。
初めて取り組むプリントも、解き進めながら考え方がわかるように工夫されています。まずは自分で考え、えんぴつで答えを書いてみます。自分で丸付けをし、間違いがあれば、どこが違ったのかを見つけて、もう一度考えます。そして、学習記録表にその日の取り組みを記録します。
記録を振り返ると、「昨日より間違いが減った!」「スラスラできるようになった!」と、自分の成長に気づくことができます。そんな実感が、「次もやってみよう」という気持ちにつながっていきます。
また、自分の学習状況を知ることは、今の自分に必要な学習を考え、選ぶ力にもつながります。自分で決めたことに取り組み、最後までやり切る。そうした経験も大切にしています。
もちろん、いつも順調に進むとは限りません。宿題が思うように進まない日もあります。それでも、もう一度考え、できたときには喜ぶ。そんな積み重ねを通して、自分の力で学ぶ喜びを感じてほしいと思っています。
点と点がつながるまで
学んだことが結びつき、理解できるようになるまでに必要な時間や経験は、一人ひとり違います。
少しの経験から気づく子もいれば、何度も見たり、触れたり、試したりする中で、あるとき「あ、そういうことか!」と、点と点が線でつながるように理解する子もいます。
実際に、ゆっくり進んでいたお子さんが、あるときからぐんぐん伸び始めたり、宿題になかなか取り組めなかったお子さんが、毎日できるようになったりすることがあります。
すぐに結果が見えなくても、今はまだ、点と点がつながる途中なのかもしれません。
だからこそ、目の前の結果だけで判断せず、その子に必要な経験や時間を大切にしたいと思います。
自分と向き合い、自分なりに考え、できることを少しずつ増やしていく。そんな経験が、子どもたちの自信や、自分から学ぶ力につながっていくのではないでしょうか。
紙で学ぶことのよさが改めて注目される今、学び方そのものだけでなく、子ども自身が考え、気づき、「わかった!」と実感できることを大切にしたいと思います。
これからも、一人ひとりに必要な経験や学び方を大切にしながら、子どもたちが自分の力で成長していく姿を、温かく見守っていきたいと思います。
らくだメソッドについて、詳しくはこちらをご覧ください。
らくだメソッド公式サイト
https://www.rakuda-method.com/

